鏡を覗き込んだときに見える毛穴の黒い盛り上がりについて、多くの人が「黒ずみ角栓」なのか「埋没毛」なのか判断に迷います。結論から言えば、これらは発生部位と構成物質が根本から異なりますが、毛穴の出口で合体して強固な複合プラグを形成することが珍しくありません。
埋没毛と角栓の違いを皮膚生理学的に整理すると、角栓は「剥がれ落ちた古い角質(タンパク質約70%)と皮脂(約30%)」が毛穴の中で混ざり合い、酸化して硬化した塊です。一方、埋没毛は「本来なら皮膚の外へ伸びるはずの体毛が、毛穴の出口が塞がれたことで皮膚の内側に留まり、渦を巻いたり皮膚直下を這うように伸びたりした状態」を指します。
カミソリや毛抜きで皮膚表面を傷つけると、人体は防御反応として角質層を急速に厚く硬くします(過角化現象)。その結果、毛穴の出口が角質と皮脂によってフタをされ、そこに成長期の毛が閉じ込められます。これが、硬い角栓の芯の中に黒い毛がぐるぐると巻き込まれた「黒い塊」の正体です。この複合状態を無理に指で潰そうとすれば、毛穴の壁(毛包壁)が破裂し、皮下組織深部に異物反応を引き起こすことになります。