一般に「新古車」と呼ばれる車両の業界正式名称は「登録済未使用車」です。ナンバープレートの登録(届出)が完了しているものの、一般ユーザーに一度も運行・使用されていない状態の車両を指します。外観も機関も新車と何ら変わりない車両が、なぜ本体価格ベースで10万〜20万円以上も安く店頭に並ぶのでしょうか。
その背景には、自動車業界特有の販売インセンティブ構造が存在します。大手自動車メーカーの正規ディーラーや大手販売チャネルでは、月間・四半期・年度末ごとに設定された販売目標(ノルマ)を達成することで、メーカー本部から巨額の「販売奨励金(リベート)」が支払われる仕組みが通例となっています。目標達成期日が迫った段階で台数がわずかに未達の場合、ディーラーは自社の名義で新車を登録し、書類上の販売実績を成立させます。これが「自社登録車」の正体です。
ディーラー側からすれば、登録によってメーカーから得られる奨励金が車両本体の値下げ幅を上回るため、登録後にオークションへ流したり、グループの認定中古車部門や提携する未使用車専門店へ業販したりしても十分に利益を確保できます。一度ナンバー登録された車は、法律上「中古車」として扱われ、流通市場のルールに則って減価償却された価格設定が義務付けられます。これが「ルーミー新古車なぜ安い」という疑問に対する決定的な業界の真実です。