Q1:100円玉や50円玉にはニッケルが含まれているのに、なぜ磁石につかないのですか?
A1:白銅(銅75%、ニッケル25%)という合金になることで、銅の電子がニッケルの電子殻(3d軌道)に入り込み、磁性の原因である不対電子を埋めてしまうためです。この結晶構造の変化により、強磁性体であるニッケルの磁気モーメントが打ち消され、常温では磁石に全く反応しなくなります。
Q2:超強力なネオジム磁石を使えば、アルミニウムや真鍮もくっつきますか?
A2:どれほど強力な磁石を用いても、アルミニウムや真鍮が磁石にくっつくことはありません。これらは常磁性体または反磁性体であり、強磁性体のような自発磁化を持たないためです。ただし、強力な磁石を素早く動かした際には、電磁誘導によって一時的な抵抗感(渦電流ブレーキ)を感じることはあります。
Q3:キッチンのステンレスシンクにマグネットがつかない部分とつく部分があるのはなぜですか?
A3:シンクに多用されるSUS304(オーステナイト系ステンレス)は、板材の状態では磁石につきません。しかし、シンクの四隅や排水口周りのように、プレス機械で強烈な圧力をかけて引き延ばされた部分は「加工誘起マルテンサイト変態」を起こし、金属組織が局所的に磁性を持つようになります。素材の欠陥や貼り合わせの不正ではなく、加工に伴う自然な物理変化です。