子どもの身長を巡っては、根拠の乏しい俗説や商業的なプロモーションがネット上に氾濫しています。科学的なエビデンスに基づいて、代表的な2つの盲点を是正する必要があります。
見落とされがちなのが早生まれの成長差です。同じ学年であっても、4月生まれと翌年3月生まれでは文字通り「約1年の発育期間の差」が存在します。5歳児にとっての1年間は、身長にして約6cm、体重にして約2kgの差に相当します。クラスの早生まれの子が4月生まれの子と比較して小柄に見えるのは生物学的に至極当然であり、月齢別の幼児成長曲線早見表に当てはめれば全くの標準値内である例が大半を占めます。学年単位の比較ではなく、「生まれてから何ヶ月か」という実月齢で評価する視点が欠かせません。
ネット広告で頻繁に見かける「飲むだけで身長が伸びる」と謳う子ども向け成長サプリメントや特定健康食品についても、過剰な期待は禁物です。日本小児内分泌学会をはじめとする専門家団体は、特定のサプリメントを経口摂取するだけで骨端線の成長を劇的に加速させる医学的根拠は存在しないと公式に注意喚起を行っています。
カルシウムは「骨を強く硬くするミネラル」であって、「骨を縦に伸ばす栄養素」そのものではありません。カルシウムばかりを過剰に摂取しても身長の伸びには直結せず、むしろ食事全体のバランスを崩すリスクさえあります。特定成分の過信は避けなければなりません。