インターネット上の掲示板やSNSでは、「年間休日110日で弱音を吐くのは甘え」「昔はもっと休みが少なかった」といった昭和的・平成初期的な精神論がいまだに散見されます。しかし、年間休日110日のネットの反応をSNSや転職クチコミサイト(OpenWorkや転職会議など)で精査すると、現場の当事者からは悲痛な一次情報が溢れ返っています。
大手クチコミサイトに寄せられた現場社員の手記には、「土曜出勤の週は木曜日あたりから絶望感に襲われる」「日曜日に買い物と溜まった洗濯をこなしたら1日が終わってしまい、月曜日の朝に疲労がピークに達している」「有給を使っても体調不良の穴埋めで消え、プライベートを楽しむ気力が湧かない」といった赤裸々な体験談が数多く記録されています。公の場では平然を装っていても、私生活の領域では心身ともに限界を迎えている姿が浮き彫りになっています。
労働社会学および産業心理学の観点から見ると、人間が疲労から回復するには「脱緊張」と「心理的バウンダリー(境界線)」の確保が欠かせません。1日だけの休日では、交感神経から副交感神経へのスムーズな切り替えが完了せず、翌週のストレスに備える筋緊張が解かれないまま月曜日を迎えることになります。つまり、年間休日110日を「しんどい」と感じるのは本人の気力や体力の問題ではなく、「人体の生理的リカバリー限界」を超えているから生じる当然の生理反応なのです。