シャッター街と呼ばれた時代は完全に過去のものとなった。柳ヶ瀬のアーケードを一本入った細い路地や、繊維問屋街のヴィンテージビルの一角に、若手シェフたちが続々と集結している。
彼らが作るのは、単なるノスタルジーに浸る料理ではない。昭和初期の建具やタイルをそのまま活かした空間で提供されるのは、地元契約農家から毎朝届く無農薬野菜を主役にしたプレートや、自家製シャルキュトリーだ。「祖父の代から続くこの空間で、いま自分が信じる最高の食材を昼から出したい」。あるビストロの店主はそう語る。古さと新しさが心地よく調和するテーブル席は、連日オープン前から予約で埋まる。