「新幹線や高速バスのように、事前にネットで座席を押さえておきたい」と考える利用者は少なくありません。しかし、京浜急行バスおよび共同運行会社が設定している横浜駅(YCAT)発・羽田空港行きの路線は、開業以来一貫して「座席定員制(予約不要・先着順)」を採用しています。
関係者への取材によると、予約システムをあえて導入しない最大の理由は「圧倒的な便数と利用者の流動性」にあります。日中時間帯は1時間に4便から6便という過密ダイヤで運行されており、都市型シャトルバスに近い性格を持っています。フライトのチェックイン時間や保安検査場の混雑状況が乗客ごとに異なるため、特定便を予約させるよりも、乗り場に到着した順に次々と乗せていくほうが結果として回転率が高まり、乗客の柔軟な移動を担保できるという運行側の合理的な判断です。
ただし、ここで生じるのが「予約不要の真相と混雑状況」におけるシビアな現実です。予約ができないということは、すなわち「乗り場に行けば確実に予定の便に乗れる保証がない」ことを意味します。現地観測データによると、特に大型連休や金曜日の夕方、さらには出張需要が集中する月曜日の午前7時台などは、出発時刻の15分以上前から長い待機列が形成され、目の前でバスの扉が閉まる「1便〜2便見送り」を余儀なくされるケースが散見されます。定員は正座席・補助席を含めて約45〜50名。満席になった瞬間に次の便を待つ運用となるため、時間的余裕を持たない行動は命取りになります。