Q1:人類がこれまでに完全に根絶できた感染症は何ですか?
A1:ヒトを宿主とする感染症で、世界保健機関(WHO)によって根絶が公式に宣言されたのは1980年の「天然痘」のみです。家畜の感染症を含めると、2011年に根絶が宣言された牛疫(ぎゅうえき)が2例目となります。ポリオ(小児麻痺)やギニア虫症なども根絶に向けた国際的な取り組みが続けられています。
Q2:ペストの流行はなぜ中世ヨーロッパで終息したのですか?
A2:ペスト菌が完全に消滅したわけではなく、生き残った人々に一時的な集団免疫がついたこと、患者の隔離や検疫体制の強化、衛生環境の漸進的な改善、家屋の建材が木造・土壁から石造りやレンガ造りに変わりネズミの生息環境が制限されたことなど、複数の要因が重なって大規模な波が収束しました。
Q3:なぜ19世紀から20世紀にかけて人類の平均寿命は倍増したのですか?
A3:19世紀半ばまで30〜40歳前後にとどまっていた人間の平均寿命が80歳前後にまで達したのは、乳幼児死亡率が激減したためです。下水道整備による水系感染症(コレラやチフス)の激減、ジェンナーに始まる種痘などのワクチン普及、パスツール・コッホ以降の衛生観念の定着、そして20世紀の抗生物質の実用化が乳幼児の生存率を飛躍的に高めました。