熱海駅周辺のグルメシーンを語る上で、新進気鋭のスイーツブランドと、創業半世紀を超える老舗の味のせめぎ合いは見逃せません。熱海観光ブームの起爆剤となった熱海プリンは、かばのキャラクターをあしらったレトロな牛乳瓶と、じっくり蒸し上げたなめらかな舌触りで不動の人気を誇ります。ほろ苦い特製カラメルを自分でかける体験が、旅のハイライトとして定着しています。
これに追随して爆発的な支持を集めているのが、又一庵が手掛ける熱海ばたーあんです。看板商品の「熱海ばたーあんパン」は、薄皮のパン生地の中にぎっしりと詰まった北海道産えりも小豆の粒あんと、濃厚な国産バターの塩気が口の中でとろけ合う禁断の味わい。1日に複数回設定される焼き上がり時間には、整理券を求める客がアーケードに長い列を作ります。
一方、しょっぱい系グルメの絶対王者として君臨するのが磯揚げまる天です。店頭のフライヤーで常に揚げたてが提供される「じゃがバター天」や「たこ棒」は、魚すり身のプリッとした弾力とあふれ出る具材の旨味が抜群で、ビールを片手に楽しむ大人の食べ歩き需要を完全に掴んでいます。
そして温泉街の原点である温泉まんじゅう食べ比べも外せません。黒糖の芳醇な風味が香るもちもちの薄皮派、ふっくらと蒸し上げられた酒蒸し饅頭、さらには粒あん・こしあんの炊き加減に至るまで、各店が独自のこだわりを競い合っています。出来立ての温かい蒸籠から手渡される一個120円〜150円のまんじゅうを頬張る瞬間は、老舗ならではの確固たる価値を提供してくれます。