育児コミュニティやSNS(X、知恵袋、子育て相談掲示板)を調査すると、BCGの跡をめぐる母親・父親の切実な声が溢れています。そこには、現代の育児環境特有のプレッシャーが色濃く反映されています。
「支援センターで同じ月齢の赤ちゃんの腕を見たら、真っ赤に熟したイチゴのように腫れているのに、うちの子の腕は何事もなかったように真っ白。先生の押し方が弱かったのではないかと疑ってしまい、自分を責めた」(生後7ヶ月女児の母親の手記より)
「18本の針痕のうち、薄く確認できるのは3〜4本だけ。これでは3分の1しか免疫がついていないのではと小児科に電話したら、看護師さんに『数本でも見えていればしっかり反応していますよ』と優しく諭された」(生後6ヶ月男児の父親の投稿より)
都内の小児科クリニックに勤務するベテラン小児科医への取材によると、予防接種外来や乳幼児健診の場で「BCGの跡が薄い」という相談は、毎週のように寄せられる定番の質問だといいます。
「診察室で親御さんが『失敗されたのではないか』と非常に恐縮しながら質問されることがあります。しかし、皮膚をつまんで拡大鏡で見ると、毛穴ほどの小さな瘢痕がしっかりと規則正しく並んでいるのが確認できるケースがほとんどです。18個すべての針痕が赤くならなくても、生体がワクチン菌を認識して局所リンパ節へ免疫シグナルを送っていれば、予防効果としては完結しています。他のお子さんの腫れ具合と比較して落ち込む必要はまったくありません」(都内小児科医の証言)