相場の急騰に伴い、フリマアプリや海外越境ECを中心に極めて悪質なフェイク品(スーパーコピー)が蔓延しています。専門店のプロバイヤーが実際に行っているステューシー偽物見分け方の判断軸は、決してタグの見た目だけではありません。
真贋鑑定における最初のチェックポイントは「袖口と裾のステッチワーク」です。1980年代から1990年代中盤までに製造された米国製ボディは、ほぼ例外なく「シングルステッチ(一本針の縫製)」で仕上げられています。これがダブルステッチ(二本針)になっているにもかかわらず「80s黒タグ」を謳っている個体は、その時点でタグの付け替え(リメイク詐欺)または完全な偽物と断定できます。
2つ目は「タグ裏の織り糸とフォントの印字精度」です。精巧に作られた偽物の黒タグであっても、裏返すと粗悪なポリエステル糸が乱雑に飛び出していたり、「MADE IN U.S.A.」のピリオドの位置がずれているケースが多発しています。本物のヴィンテージタグは裏面の処理が驚くほど滑らかで、フォントの文字間に均等な余白が保たれています。
3つ目は「シルクスクリーンプリントのインクの沈み込み」です。当時のオリジナルは、顔料インクがコットンの繊維の奥までしっかりと染み込んでおり、経年変化によって自然なひび割れ(クラック)が生じます。対して粗悪なブートレグや現代のフェイク品は、インクジェット印刷による不自然な光沢があったり、ラバープリントがゴムのように分厚く乗っかっているため、触れただけでプロには違和感が伝わります。