彼を襲った悲劇について、公式な記録として残されている事実は極めてシンプルでありながら、それゆえに痛切な重みを持っています。所属レーベルであったLOW HIGH WHO? PRODUCTIONの公式アナウンスによると、不可思議/wonderboyは2011年6月23日、不慮の交通事故によって急逝しました。享年24歳でした。
事故が発生したのは、初夏の夜更けから未明にかけての時間帯とされています。当時、全国流通を果たした1stアルバム『ラブリー・ラビリンス』(2011年5月4日リリース)の反響が全国へ広がり、精力的に次なる表現を模索していた最中でした。ネット上では「歩行中の事故だったのか」「車やバイクが関係していたのか」など様々な憶測が飛び交っていますが、警察発表や報道資料において詳細な事故鑑定結果や過失割合などのセンセーショナルな情報は公表されていません。
レーベル代表のParanel(パラネル)氏をはじめとする制作現場の関係者にとっても、その一報は完全に青天の霹靂でした。同氏が後に語った回想録や追悼文の記録によると、前日まで次なるライブや音源制作についての打ち合わせ、あるいは他愛のない言葉を交わしていた矢先、深夜に突然警察や家族関係者から連絡が入ったといいます。ブレーキ痕や路面状況、目撃証言といった法的な仔細を語る以前に、あまりの突然さに誰もが現実として受け止めることができない心理的パニックに陥ったことが窺えます。