鳥人間コンテストの歴史において、無線機を介したドラマは数多くの名場面と同時に、数々のトラブルも生み出してきました。琵琶湖の上空は湿度が高く、機体内はサウナのような過酷な環境になります。さらに湖上の強風や突風により、無線機器にトラブルが生じることは珍しくありません。
過去のフライトでは、ノイズの混信やバッテリー切れによって通信が途絶し、パイロットが孤独な闘いを強いられたケースが度々発生しています。また、パイロット側は「まだ飛べる」と主張し、安全を最優先する地上クルー側は「風向きが変わったからすぐに着水しろ」と指示を出すといった、激しい意見の衝突が無線越しに生中継されたこともありました。
視聴者にとって、命がけでペダルを回すパイロットと冷静な判断を迫られるクルーのやり取りは、まさにノンフィクションの極致です。その生々しすぎる交信が時に「放送事故寸前」と受け取られ、記憶に深く刻まれる要因となっています。