SNSや知恵袋などのコミュニティを調査すると、「誤ってサインアウトを押してしまい、二度とログインできなくなるのが怖い」「同期していた数千枚の写真がiPhoneから消えて真っ青になった」といった切実な声が数多く見受けられます。
ITサポートの現場で取材を行うと、こうしたパニックの大半は「データの所在に対する勘違い」から生じていることが分かります。例えばiPhoneでサインアウトした際、端末の空き容量を節約するためにクラウド側へ本体を逃がしていた写真データは、一時的に端末の「写真」アプリ上から姿を消したように見えます。しかし、これは単に「クラウドへの参照リンクが切れた」だけであり、WebブラウザからiCloud.comへ直接アクセスすれば、すべての写真が無傷で保管されていることが確認できます。
ユーザーが抱く「消滅の恐怖」は、実データが削除されたことによるものではなく、ローカル表示とクラウド同期の境界線が見えにくいUI設計に起因しているのです。