なぜ個人経営の青果店は、大型店舗よりも新鮮で安い商品を提供できるのか。その秘密は仕入れの構造にある。
東京都内の大田市場や豊洲市場をはじめ、全国の中央卸売市場には毎朝未明から全国各地の採れたて農産物が集まる。ベテランの青果店主は、自ら競り場に足を運び、自らの目でクオリティを確かめて競り落とす。仕入れた商品はその日の午前中には店頭へ並べられる。中間流通の倉庫をいくつも経由する大手チェーンには真似できないスピード感だ。
朝競り落とされた野菜が数時間後に店頭へ並ぶ仕組み
物流の多段階化は食材の鮮度を確実に奪う。青果店の場合、セリから店頭陳列までのタイムラグはわずか数時間。葉物野菜の張り、果実の芳醇な香り、皮のツヤが圧倒的に違うのはこのためだ。また、市場でその日大量に余った高品質な作物を一括で安く買い付ける「箱買い」や「見切り仕入れ」の判断も迅速だ。これが、驚くほどの特価品を生み出す原動力となっている。