SNSや健康相談掲示板を分析すると、「オフィスでは足先が氷のように冷たいのに、顔だけが赤く火照って集中できない」「夜ベッドに入ると足の裏や背中が熱くて眠れず、アイス枕が手放せない」という切実な書き込みが連日投稿されています。ある30代後半のデスクワーカーは取材に対し、次のようにその苦痛を語りました。
「会社の空調が効いている部屋にいるのに、午後になると首から上がサウナに入っているかのようにボロボロと熱くなるんです。同僚からは『顔が赤いよ、熱でもあるの?』と心配されますが、体温計を挟むと36.3度。サボっているわけでも大袈裟に言っているわけでもないのに、誰にもこの不快な熱さを理解してもらえないのが何より辛い」
現場取材で見えてきたのは、「エアコンによる汗腺の休眠」と「隠れ脱水」の負の連鎖です。通年で空調管理された屋内にこもり、湯船に浸からずシャワーだけで済ませる生活を続けていると、人間が本来持っている体温調節機能は急速に退化します。汗腺が適切に開かなくなり、体内に生じた熱を逃がす術を失った結果、体幹部や頭部に熱が滞留し続けるという現代特有の構造的問題が浮き彫りになっています。