「ごめんください!…ど座敷はこちらですか?」の威勢のいい第一声とともに、大きな乳房を揺らしながら登場する「和子ばあさん」。桑原和男が長年にわたって演じ続けたこの名物キャラクターは、老若男女問わず愛され続けた吉本新喜劇の象徴的存在だった。
「神様、仏様、神様〜!」と叫んでお腹を叩くお決まりのギャグは、劇場全体を温かい笑いで包み込んだ。桑原の演じるおばあさんは、単なる女装ボケにとどまらず、物語全体を包み込む深い母性と優しさに満ちていた。楽屋でも穏やかな人柄で知られ、若手芸人たちの悩み相談に優しく耳を傾ける姿は、まさに新喜劇の「みんなのお母さん」そのものだったと言える。