かつてネット上の発信者情報開示請求といえば、発信者の特定までに1年以上を要し、被害者側の費用負担も大きい膨大な労力が必要なプロセスだった。しかし、発信者情報開示裁判手続の簡略化と、2026年に向けたデジタル庁および総務省による運用ガイドラインの改定により、その状況は一変した。
現在では、非訟手続を活用することで、SNS運営事業者への IP アドレス開示要請からプロバイダに対する契約者情報の開示命令までが、わずか数ヶ月単位で完結する。IPアドレスの保存期間が切れる前に迅速な差押えが可能となったため、「海外の非協力的なSNSだからバレない」「一定期間が過ぎれば逃げ切れる」という加害者側の皮算用は完全に崩れ去っている。