ホルモンの旨味を決定づける最大の要素は、間違いなく「時間」だ。一般的な流通ルートでは、解体から店舗に届くまで数日を要することも珍しくない。しかし、芝浦エリアの有名店では、市場でその日の朝に処理された新鮮そのものの部位が数時間後には各店舗の仕込み場へと運び込まれる。
「ドリップが出る前に包丁を入れ、最適な塩梅で揉み込む。このスピード感だけは、他のどんなエリアも真似できません」。長年この地で炭を熾し続けている店主は、誇らしげに語る。臭みが一切なく、ホルモン本来の澄んだ旨味と弾力が残るのは、この地理的優位性と職人の妥協なき下ごしらえが合体しているからだ。