暖簾をくぐり、浴槽へと身を沈めると、湯の重みが心地よく身体を包み込む。泉質の主役はナトリウム―炭酸水素塩泉。いわゆる「美肌の湯」や「清涼の湯」と称される成分設計だ。
皮膚の角質を優しく軟化させ、毛穴に詰まった皮脂汚れを自然に乳化して洗い流す作用が際立っている。湯上がりの肌を指先で撫でると、まるで極薄のヴェールをまとったかのように吸い付くようななめらかさ。だが、この湯の真価は美肌作用だけにとどまらない。
炭酸水素塩泉特有の清涼感と保温バランスは、自律神経の乱れをリセットし、深層筋肉の緊張を緩める。デスクワークによる慢性的な肩こりや眼精疲労に悩む現代人にとって、これ以上の天然処方箋は見当たらない。