「退職時期でおすすめの月はいつか」という問いに対して、キャリアコンサルタントや社会保険労務士が口を揃えて指摘するのが、仕事を辞めるタイミングとボーナスの相関関係です。大半の企業の就業規則には「賞与支給日に在籍していること」という支給要件が明記されています。査定期間を満了していても、支給日前に退職届を提出したり退職したりすると、支給額を大幅に減額されたり不支給となったりする法的なリスクが生じます。
具体的には、夏のボーナス(6月下旬〜7月上旬支給)を受け取った後の「6月末」あるいは有給を消化した「7月末」、冬のボーナス(12月上旬支給)後の「12月末」または「1月末」が、手取り額を最大化させる王道のタイミングです。さらに見落とされがちなのが、退職月による住民税と社会保険料の天引きルールの違いです。例えば5月に退職すると、前年分の住民税の残額(5月分)が一括徴収され、最後の手取りが著しく目減りします。また、月末退職と月末前日退職では、退職月に発生する社会保険料の免除要件が異なるため、次の就職先が決まっているか否かによって日割りの計算を綿密に行う必要があります。
以下の表は、各退職月における金銭的・キャリア的メリットとデメリットを比較整理したデータです。
金銭面を最大限防衛するには、退職時の有給消化スケジュールを逆算することが欠かせません。労働基準法上、有給休暇の取得は労働者の権利であり、会社側の「時季変更権」は退職日を跨いで行使することはできません。残余日数が30日ある場合、最終出社日から退職日までの約1.5ヶ月間を完全な有給消化に充てることで、働かずに満額の月給を受け取りながら次のステップへ準備を進めることが可能です。