観光地と呼ばれる場所は日本中に無数にある。だが、その土地の歴史、建築、工芸、そしてそこに暮らす人々の意志がこれほど純度高く結晶した拠点は稀だ。かつて薬を求めて町民が集ったこの土間には、いまや世界中から「豊かな日常」の手がかりを求める人々が集い、インスピレーションを持ち帰っていく。
夕暮れ時、格子の合間から漏れ出す暖色の明かりを見上げながら、辻信行氏をはじめとする再生の仕掛け人たちが目指した景色の本質に思いを馳せる。過去を凍結保存するのではなく、絶えず新しい息吹を吹き込みながら使い続けること。時代がどれほどデジタル化し、生活の速度が加速しようとも、木の手触りや手仕事の確かさは色褪せない。この場所が放つ静かな誇りは、これからも倉敷の町を根底から照らし続けるはずだ。 (出典: 林 源 十郎 商店(Yahoo!ニュース))
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