今日でこそ業界の標準となりつつある「回らない」配膳スタイルだが、その口火を切った立役者が元気寿司株式会社であり、その屋台骨を支えるブランドが魚べいだ。同社を率いてきた藤尾益雄らの経営陣が断行した「オール高速レーン導入プロジェクト」は、従来の常識を根底から覆す一大勝負だった。
長時間レーンを回り続けて乾燥した寿司を廃棄するロスを完全撤廃し、すべて受注生産へと切り替える決断。それは衛生面への不信感を払拭しただけでなく、原価率をネタそのものへ大胆に還元する原動力となった。名古屋中川店に配置された3段の高速直行レーンは、まさにその思想が具現化した舞台装置だ。
出来立ての握りが注文から数分、時には1分足らずで手元に届く心地よさは、ファストフードとしての機能美を極限まで研ぎ澄ました結果と言える。