バーカウンターの背後に整然と並ぶタップから注がれるのは、常に更新され続ける鮮度抜群の液体だ。看板ラインナップはもちろん、世界中の前衛的なブルワリーとコラボレーションした希少な限定バッチが突発的に開栓される。タップリストは一期一会。昨日飲めたビールが今夜には別の前衛的な一杯へと入れ替わっていることなど日常茶飯事だ。
そして通の間で語り継がれるのが、黒板メニューの隅にすら載らないボトルストックや、日によって供される特製フードペアリングといった「裏メニュー」の存在である。セラーで厳重に温度管理されたヴィンテージのバレルエイジド・サワーや、デンマーク伝統のスモーブロー(オープンサンド)を現代風に再解釈した隠しおつまみは、スタッフに直接その日の気分を伝えた者だけに開かれる特別な扉だ。好奇心を惜しまず、タップの向こう側にいるバーテンダーに声をかけてみてほしい。