コミックス最終30巻に収録された最終回の結末について、本作が物語のどこまでを描き切ったのかは多くの読者が関心を寄せるポイントです。本作は、原作小説第5巻「風雲篇」のラスト、すなわちラインハルトとヤン・ウェンリーが直接激突した「バーミリオン星域会戦」の終結と、その後の歴史的転換点までを描き切って幕を閉じました。
バーミリオン星域会戦において、ヤンは奇策を尽くしてラインハルトの旗艦ブリュンヒルトを射程に捉え、あと一歩で完全勝利という局面に達します。しかしその瞬間、ヒルダの進言によって同盟政府首都ハイネセンを直接脅迫したミッターマイヤーとロイエンタールにより、同盟政府が無条件降伏を受諾。ヤンは政府からの停戦命令を受け入れ、銃火を収める苦渋の決断を下します。
物語の締めくくりとして描かれたのは、以下の象徴的なエピソードです。
・ヤン・ウェンリーとフレデリカ・グリーンヒルの結婚式と、軍を退役したヤンの束の間の平穏
・ローエングラム王朝の成立と、皇帝ラインハルトの戴冠式
二人の天才が激突した第一部完結の瞬間を物語の最高潮と位置づけ、それぞれの選んだ道を描き切ったラストシーンは、大河ドラマの節目として見事な余韻を残しました。