日本国内における台湾リスの江ノ島での由来と歴史は、昭和中期にまで遡ります。1951年、神奈川県の江ノ島植物園(現・江の島サムエル・コッキング苑の前身)で観光用として飼育されていた個体が、台風による飼育ケージの破損などをきっかけに逃げ出したのが神奈川県内での最初の定着要因とされています。
逃げ出した台湾リスは驚くべき遊泳力と行動力で対岸の片瀬海岸へと渡り、湘南海岸のクロマツ林を経由して緑豊かな鎌倉の山林へと生息域を拡大しました。天敵が少なく餌が豊富な台湾リスにとって鎌倉の生息地は繁殖に絶好の環境であり、市街地と山林が隣接する地形も手伝って急速に個体数を増やしていきました。
同様の事例は神奈川県にとどまりません。静岡県の伊豆大島や長崎県の壱岐島、和歌山県、岐阜県など、観光施設からの脱走や意図的な放鳥獣が引き金となり、現在では西日本から東日本の複数地域でクリハラリスの外来種問題として定着が確認されています。