Rainy.の真骨頂は、R&Bのグルーヴ感とJ-POPの情感豊かなメロディラインを融合させる技術にある。単に上手い歌い手ならごく普通に存在するが、フレーズの語尾に残る吐息の量、シルクのように滑らかなファルセット、そして突然胸を突き刺すパワフルな地声の切り替えは天性のセンスと言わざるを得ない。
スタジオでの録音現場に立ち会った関係者は一様に「マイクの前に立った瞬間に空気の温度が変わる」と語る。テイクを重ねるごとに表現が深まり、ディレクターの要求をその場で自分の肉体知へと昇華させてしまう俊敏さ。
この高い適応力があるからこそ、ジャジーなバラードからアグレッシブなアップテンポのロックチューンまで、どんなサウンドトラックも自らの世界観へと塗り替えてしまうのだろう。