ネット上の議論や一部の俗説では、ダウンフォール作戦に関して事実と異なる誤解が散見されます。歴史資料に基づくファクトチェックを行います。
誤解1:米軍は日本軍の九州防衛配備を知らずに突入しようとしていた?
実際には米軍は「ウルトラ情報(マジック情報)」と呼ばれる暗号解読によって、日本軍が南九州へ急速に兵力を増強している事実を1945年7月末の時点で正確に把握していました。あまりの兵力急増に、太平洋艦隊司令長官チェスター・ニミッツ海軍元帥らはオリンピック作戦の強行に強い懸念を示し、作戦見直しや再検討の議論が持ち上がっていました。
誤解2:原爆投下だけで戦争が終わったため作戦が中止された?
原爆の衝撃だけでなく、ソ連対日参戦による「挟撃体制の完成」と日本の戦争指導層が抱いていた和平仲介の望みの完全な破綻、そしてすでに実行されていた海上封鎖(飢餓作戦:Operation Starvation)による日本全土の兵站破綻が複合的に作用した結果です。