二人の出会いは、昭和の薫りが色濃く残る東京都大田区・大森の地に遡ります。高校時代に出会った二人は、アメリカのR&Bやドゥーワップに強い憧れを抱き、夜な夜なストリートや車の中でハーモニーを重ねていました。当時の様子について田代は自著や回顧録の中で「マーチン(鈴木雅之)の圧倒的な歌唱力に惚れ込み、自分はこの男の横で盛り立て役に回ろうと決めた」と語っています。
1975年に結成されたシャネルズは、大森の幼馴染や車好きの仲間を中心にメンバーが集まりました。1980年のデビューシングル『ランナウェイ』はミリオンセラー(110万枚超)を記録。靴墨を顔に塗り、白い手袋をはめて歌う斬新なスタイルは日本中に衝撃を与えました。
1983年にはグループ名を「ラッツ&スター」へと改名。資生堂のキャンペーンソングとなった『め組のひと』は60万枚を超える大ヒットを記録し、田代が作詞を手掛けた楽曲も多数世に送り出されました。メインボーカルとしてフロントに立つ鈴木雅之と、軽妙なMCとテナーボーカルで客席を沸かせる田代まさし。二人はグループの両輪として、昭和から平成初期の音楽シーンの頂点へと駆け上がっていったのです。