2026年7月に国家安全保障局長を退任した北村滋氏の動向は、政財界の双方から極めて高い関心を集めました。その後の進路として選んだのは、単なる天下り先への着任ではなく、自らの専門性を直接ビジネス界に注入する独立系コンサルティングファームの立ち上げでした。
北村氏は退官直後の2026年秋に合同会社北村エコノミックセキュリティ(Kitamura Economic Security)を設立し、代表に就任しました。さらに個人事務所である「北村滋事務所」を通じて、経済安全保障に特化した地政学リスクマネジメントの助言業務を本格始動させました。米中対立の激化、サプライチェーンの分断、先端半導体規制が常態化するなか、同社の存在はグローバル展開を急ぐ日本企業にとって不可欠な羅針盤となっています。
公式開示情報や報道資料によると、北村氏が現在関与している主な民間役職および顧問ポストは以下の通りです。
- 富士通株式会社:シニアアドバイザー(経済安全保障・グローバル地政学リスク担当)
- 三菱電機株式会社:アドバイザリーボードメンバー
- 日本生命保険相互会社:特別顧問
- 株式会社読売新聞グループ本社:監査役
- 株式会社フジ・メディア・ホールディングス / 株式会社フジテレビジョン:社外監査役
- 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研):顧問
- 中央大学法科大学院:客員教授
かつて国家情報機関の頂点に立ち、海外の情報機関幹部と直接パイプを築いた人物が、これほど多岐にわたる民間中枢の意思決定に参画している事例は戦後の日本官僚史でも稀有です。講演会やセミナーの依頼は引きも切らず、財界トップ層がこぞって北村氏の情勢分析に耳を傾けています。