2016年、加藤一二三の現役最後の対局相手となったのが、デビュー直後の藤井聡太だった。60歳以上の年齢差を超えたこの対局は、新旧の天才による歴史的なバトンタッチとして日本中が注目した。
二人の共通点は、単に「最年少プロ」という記録だけではない。将棋に対する純粋な探求心と、盤上における圧倒的な集中力だ。加藤は若い頃から「直感の7割は正しい」という信念を持ち、極限状態での決断力を磨き続けてきた。この直感を信じる力と、読みの深さは、現代の藤井将棋にも通ずるものがある。時代は変われど、天才たちが辿り着く境地には共通するものがあるのだろう。