レースの事前検証において、数字以上にリアルなシグナルを発するのが京都記念の追い切りである。栗東トレセンの坂路およびCWコースで取材を重ねる調教ウォッチャーたちの間では、1週前追い切りでの負荷のかけ方と、当週の気配の差異が激しく議論されていた。
ある大手競馬メディアのトラックマンは、現場の観察メモにこう記している。
「前走GI組の某馬は、1週前CWで強めに追われたものの、動きにどこか重苦しさが残っていた。最終追い切りは坂路でサラッと流す程度。明らかにここは春の大目標に向けた過程であり、7割から8割の仕上がり。対して、別路線から参戦してきた上がり馬は、寒風を切り裂くような鋭い伸び脚を連発。馬体も引き締まり、目つきの鋭さが段違いだった」
レース当日のSNS(X)や競馬掲示板でも、パドックを注視していたファンから「1番人気の馬体が明らかに冬毛が伸びて太め残り」「伏兵の馬っぷりが抜群で気合乗りが素晴らしい」といったリアルタイムの書き込みが相次いだ。事前のネームバリューに惑わされず、毛ヅヤや歩様の活気を冷静に見極めた観察眼が、結果として的中に繋がった実態が浮き彫りとなっている。