2026年に突如として吹き荒れた有料席拡大の嵐は、単なる主催者の利益追求ではありませんでした。自治体関係者や実行委員会の内部証言を辿ると、そこには安全対策費の天文学的な跳ね上がりという過酷な現実が横たわっていました。前年秋に韓国・梨泰院で起きた凄惨な雑踏事故を受け、警察庁および各都道府県警はイベント警備の基準を大幅に厳格化。警備員の配置基準が数倍に引き上げられたことで、警備費だけで数千万円単位の予算上乗せを余儀なくされたのです。
さらに追い打ちをかけたのが、ロシア・ウクライナ情勢等に伴う原材料価格の急騰でした。花火玉の火薬原料である硝酸カリウムやアルミニウム粉末、打ち上げ用の資材価格が前年比1.5倍から2倍近くまで高騰。これに加え、地元企業の業績低迷による協賛金離れが重なり、従来の「地元企業の寄付と公費」に依存した運営モデルは完全に限界を迎えていました。
こうした状況下で、花火大会有料化の真相と理由を探ると、安全を担保しつつ開催を維持するための「受益者負担の原則」への舵切りが不可避だった実態が浮かび上がります。ネット上では「花火は誰のものでもなく、見上げるすべての人に平等なはずだ」という反発も噴出しましたが、背に腹は代えられない実行委員会の苦渋の決断が、有料エリアの大規模拡張という形で顕在化しました。