尾崎の急逝後、遺された家族もまた過酷な運命に直面しました。妻である尾崎繁美氏は、当時一部メディアから心ないバッシングを受けながらも、幼い長男を守り育てるため海外へ生活の拠点を移すなど、過酷な年月を耐え抜きました。後に上梓した手記『親愛なる遥かあなたへ』では、苦悩に満ちた尾崎の素顔と、最後まで彼を救おうと葛藤した真実の日々が赤裸々に綴られています。
父が亡くなった当時、わずか2歳だった長男の尾崎裕哉(ひろや)氏は、米国での生活を経て帰国し、現在はシンガーソングライターとして本格的な音楽活動を展開しています。
裕哉氏は、父親譲りの圧倒的な歌唱力と声質を持ちながらも、単なる「尾崎豊の息子」という枠に甘んじることなく、自身の言葉とメロディで現代のリスナーにメッセージを届けています。父の代表曲『I LOVE YOU』や『僕が僕であるために』を歌い継ぎつつ、一人の自立したアーティストとして歩むその姿は、尾崎豊が遺した魂が次世代へ確かに受け継がれている証と言えます。