この熱狂は日本国内にとどまらない。ネット配信やSNSの普及により、海外の『ONE PIECE』ファンもまた、黄猿のモデルが日本の伝説的俳優であることを知るようになった。YouTubeやTikTokでは、田中邦衛の過去の出演作のクリップと黄猿の登場シーンを比較する動画が数百万回再生されている。
「日本の昭和映画にこれほどクールでディープな役者がいたのか」と、海外の若い世代が昭和カルチャーに遡及する現象も起きている。一人の漫画家のリスペクトから始まったキャラクター造形が、国境と世代を超えて、日本の映画史そのものを再発見させる呼び水となっているのだ。