1990年代後半、野村沙知代という名はタレントとして頂点を極めると同時に、日本中を巻き込む巨大な社会現象の中心となります。引き金となったのは、1999年に勃発した女優・浅香光代氏との舌戦、いわゆる「ミッチー・サッチー騒動」でした。ワイドショーが連日この対立を報道するなかで、彼女の過去の経歴に対する疑念が次々と噴出しました。
最大の焦点となったのが、1996年の第41回衆議院議員総選挙に新進党比例近畿ブロックから立候補した際に公表していた「コロンビア大学卒業」という学歴の真偽です。週刊誌の徹底取材や関係者の告発により公選法違反(虚偽事項公表)容疑で刑事告発される事態へと発展しました。
学歴問題自体は立証の壁や時効により不起訴処分となったものの、東京地検特捜部が本格捜査に入った結果、2001年に巨額の脱税事件によって電撃逮捕される結末を迎えました。華々しいタレント活動と自己演出で築き上げた城は、法と客観的事実のメスによって脆くも崩れ去ることとなったのです。