スイスで尊厳死を選んだ日本人たち|渡航理由・費用と残された家族の葛藤

スイスで尊厳死を選んだ日本人たち|渡航理由・費用と残された家族の葛藤

スイスで尊厳死を選んだ日本人たち|渡航理由・費用と残された家族の葛藤にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

スイスへの尊厳死渡航において、法的な最大の論点となるのが「同行した家族が罪に問われるのか」という問題です。日本の刑法202条では「自殺関与・同意殺人罪(自殺教唆・自殺幇助罪)」が定められており、人を教唆し、または幇助して自殺させた者は6月以上7年以下の懲役または禁錮に処されます。

刑法3条(国民の国外犯)の規定により、日本国民が国外で犯した一定の罪にも日本の刑法が適用される建前が存在します。そのため、「家族が渡航費用を出資した」「現地で致死薬のコップを手渡した」「手続きを主導した」といった行為が、形式的に自殺幇助の構成要件に該当しないかという懸念が常に指摘されています。

実務上の運用としては、スイス国内の法に則って適法に行われた医療行為であり、本人の完全な自由意志によるものである場合、単に旅程に付き添い最期を見届けた家族が直ちに帰国後逮捕・起訴された事例は現時点で確認されていません。しかし、警察による任意の事情聴取を受ける可能性は排除できず、法解釈のグレーゾーンの中で家族は常に大きな法的・心理的重圧に晒されることになります。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。