多くの「似ている」という評価に晒されながらも、二階堂ふみという個性が埋没しなかったのはなぜか。それは彼女が単なるビジュアルの美しさに甘んじず、徹底した役作りと、自己プロデュース力で独自のポジションを築き上げたからだ。文芸作品からコメディ、さらには社会派ドキュメンタリーのナレーションまでこなす彼女の幅広さは、もはや誰の追随も許さない。
誰かに似ていることは、デビュー初期においては強力な武器(フック)になる。しかし、それを本物の実力へと昇華させなければ、一発屋で終わってしまう。二階堂ふみは、その「似ている」というノイズを自らの演技力でねじ伏せ、今や「彼女に似ている」と言われる側、つまり比較の基準点(ベンチマーク)となったのだ。