現在の映画界において、戸田恵梨香の代わりを務められる女優は極めて少ない。単に綺麗なだけの女優ならいくらでもいる。しかし、画面に映るだけでその場の空気を凍りつかせたり、あるいは一瞬の沈黙でキャラクターの悲哀を表現できる俳優は一握りだ。
最近の出演作で見せる彼女の演技は、もはや「可愛い」という次元を超越している。狂気を孕んだ母親役から、社会の不条理に立ち向かう冷徹な弁護士役まで、彼女のシャープな輪郭と鋭い眼光は、作品に圧倒的なリアリティを与えている。キャスティング側が求めているのは、彼女の「若さ」ではなく、その「凄み」なのだ。