エビの頭部を裏返して腹側を観察すると、歩脚(足)が集まる付け根の中央付近に、黒っぽく硬い小さな突起物が確認できます。これがエビの口(口器)です。
エビの口器構造は非常に複雑で、大顎(たいがく)、小顎(しょうがく)、顎脚(がっきゃく)と呼ばれる複数の硬いパーツが精巧に重なり合っています。海底のプランクトンや小魚、海藻などを噛み砕いて捕食するため、極めて頑丈なキチン質で構成されているのが特徴です。
さらに注目すべきは、口のすぐ奥、目と目の間の奥深く(額角と呼ばれる頭のトゲの付け根下)に位置する「砂袋(胃)」の存在です。エビは捕食したエサをこの砂袋へ一時的に蓄えます。海底の泥や砂ごとエサを吸い込む習性があるため、砂袋の内部には未消化の微細な砂粒や泥、強い匂いを持つ消化液が常にたまっています。