1980年代後半、日本の音楽シーンにおいて女性だけのロックバンドがチャートのトップに立つことは決して容易ではなかった。しかし、その前例なき壁を打ち破ったのが、プリンセス プリンセスのボーカルとしてマイクを握っていた奥居香(現・岸谷香)である。彼女のエネルギッシュなボーカルと弾けるような笑顔は、まさに時代の象徴だった。
当時の音楽業界では、「女子バンドは売れない」という固定観念が根強く存在していた。そんな下馬評を跳ね返し、ライブハウスから武道館、そして球場コンサートへと階段を駆け上った彼女たちの姿は、同世代の女性たちに強烈な勇気を与えた。自らギターを抱え、胸を張ってステージに立つ姿は、ガールズ・ロックという新しいジャンルを確立した伝説の幕開けだった。