緻密に組み上げられたストーリーテリングの要となったのが、異才の脚本家・遊川和彦の存在だ。彼は従来のホームドラマの枠組みを根底から解体し、一歩間違えれば悲劇へと暴走するサスペンスドラマのスリリングな要素を見事に融合させた。
母親の死によって崩壊の危機に直面していた阿須田家。そこに派遣された無表情な家政婦が、家族それぞれの不都合な真実や歪んだエゴを次々と暴いていく展開は、観る者に息をのむ緊張感を与えた。ただの心温まる家族劇にとどまらず、人間のエゴイズムや罪悪感の深淵に切り込んだ遊川和彦のペン冴え渡るシナリオこそが、毎週水曜夜の日本中を恐怖と興奮で包み込んだ最大の要因と言える。