スコアの真価を引き出すには、個々の奏者の技術以上に、バンド全体で「間(ま)」を共有する感覚が欠かせない。曲頭の繊細な旋律では、音を発する前の呼吸から全体の意識を一致させる必要がある。テンポが自在に揺れ動く箇所では、指揮者のタクトだけに頼らず、お互いのフレーズを聴き合う自律したアンサンブルが求められる。
中間部におけるダイナミクスのアプローチもポイントだ。フォルティッシモでも音が潰れず、ピアニッシモでも芯のある響きを保つこと。木管楽器のしなやかなテンポのゆらぎと、金管楽器のエッジの効いたアタック、打楽器の劇的な色彩感が融合したとき、バンドの表現力は別次元の領域へと到達する。