独特のしなりを持つコーナーワークは、ボートレース(競艇)の歴史の中でも異彩を放つ。ターンマークぎりぎりに舳先を差し込み、艇が横滑りする限界を見極めながら一気にレバーを落とし、そして跳ね上げる。水面をなめるようにグリップするその旋回は、単なるスピード戦ではなく、水流と風向きを完璧に計算に入れた職人芸の領域だ。
この技術の根底には、彼のホーム水面であるボートレース桐生で培われた過酷な適応力がある。標高が高く気圧が低い桐生は、モーター調整が全国屈指の難しさで知られる。そこで育ったからこそ、いかなる遠征先の水面であっても即座に機力を引き出す調整力が身についた。そして何より、師匠である江口晃生から叩き込まれた徹底的なプロ意識と勝負への執着が、毒島の血肉となっている。妥協なき整備姿勢と水上での礼節。偉大な先輩の背中を追い、やがて自らが群馬、そして艇界を背負って立つ存在へと昇華したのだ。