冨田真由さんが自らの苦痛を押して手記やコメントを発表し続けたことは、停滞していた法制度を大きく動かす直接的な引き金となりました。
事件当時のストーカー規制法は、電話やFAX、電子メールによるつきまといを想定しており、Twitter(現X)やブログのコメント欄などSNSを通じた連続投稿は処罰対象外という重大な法制度の抜け穴が存在していました。警察が事態を軽視した背景にも、この法律の不備がありました。
冨田さんの強い訴えと世論の高まりを受け、国会は迅速に動き、2016年12月に改正ストーカー規制法が全会一致で成立しました。この改正により、SNSによる執拗なメッセージ送信やブログへの執拗な書き込みが明確に規制対象に追加され、非親告罪化や罰則の強化が実現しました。自らの命を削るような彼女の発信が、その後の多くのストーカー被害者を救う法規範を築き上げたのです。