サッカー界に燦然と輝く代表的な異名には、単なるニックネームの枠に収まらない決定的な由来が存在します。その中でも世界中のファンに知れ渡る3大アイコンの真相に迫ります。
まず、リオネル・メッシの代名詞として知られる「神の子」。この言葉の源流は、アルゼンチンの至宝ディエゴ・マラドーナが1986年W杯で見せた「神の手ゴール」に遡ります。マラドーナの後継者と目されたメッシが、2007年のヘタフェ戦でマラドーナそっくりの5人抜きゴールを決め、さらに同年のエスパニョール戦で左手を使ったゴールを再現したことで、「神(マラドーナ)の領域を受け継ぐ正統後継者=神の子」として世界中に決定付けられました。その後、バルセロナやアルゼンチン代表で数々の戴冠を果たし、名実ともにフットボールの神そのものへと昇華したのです。
ドイツサッカーの象徴、フランツ・ベッケンバウアーが冠した「皇帝(デア・カイザー)」は、その気品ある佇まいとピッチ全体を支配するリベロとしての統率力から名付けられました。1968年にオーストリア・ウィーンで開催された親善試合の際、かつてのオーストリア皇帝フランツ1世の胸像の隣で写真を撮影したエピソードや、当時の国内最強ストライカーを完璧に封じ込めた圧倒的な支配力にメディアが脱帽し、皇帝の称号を贈ったと伝えられています。
一方で、圧倒的な才能を持ちながらトラブルが絶えない選手に与えられるのが「悪童」という異名です。ウェイン・ルーニー、アントニオ・カッサーノ、そしてマリオ・バロテッリらがその筆頭格に挙げられます。彼らがそう呼ばれる理由は、審判への暴言やピッチ外での奇行、規律違反といった破天荒な振る舞いにあります。しかし、単なる問題児であればピッチから淘汰されるはず。批判を黙らせる規格外のゴールを叩き込む強烈なカリスマ性があったからこそ、愛憎を込めて「悪童」と語り継がれているのです。