ショパンコンクールが世界一過酷と言われる所以は、オール・ショパン・プログラムという極めて純度の高い演奏要求と、厳格を極める選考システムにあります。
ショパン国際コンクールの年齢制限・応募資格は、基本的に16歳から30歳までの新進気鋭のピアニストが対象です。まず書類および演奏動画による第1次選考が行われ、通過者約160名がワルシャワでの「予備予選(Preliminary Round)」へと進みます。
本大会は1次予選・2次予選・3次予選(セミファイナル)・本選(ファイナル)の4段階で構成され、ショパンコンクールの予選・課題曲にはエチュード、ノクターン、バラード、スケルツォ、ポロネーズ、ソナタ、マズルカなど、ショパンの主要ジャンルが網羅されています。とりわけマズルカの民族的な独特のリズム感や、ポロネーズの気品と誇りをどう表現するかは、審査員が厳しく見極めるポイントです。
審査基準と採点方法には透明性と公平性を保つための高度なシステムが採用されています。審査員は各ステージで「Yes/No」判定やポイント制で投票を行い、特定の審査員による極端な高得点・低得点の影響を排除するカットオフ補正ルールが適用されます。審査員の採点データはコンクール終了後にすべて実名で一般公開されるため、審査員にとっても極めてプレッシャーのかかる厳正なプロセスとなっています。
見事ファイナルを突破した入賞者への賞金金額も世界最高峰です。第1位には40,000ユーロ(約640万円以上・為替レートによる)と金メダルが授与されるほか、世界各地の一流オーケストラとの共演ツアーや名門レーベルからのCDリリースが約束され、一夜にして世界最高峰のキャリアが開かれます。