映画『大統領の陰謀』を語る上で欠かせないのが、1970年代のハリウッドを代表する二大名優の火花散る競演です。映画化権を自ら買い取り、企画を強力に牽引したロバート・レッドフォードが冷静沈着なボブ・ウッドワードを好演。一方、鋭い直感と情熱で取材対象に食らいつくカール・バーンスタイン役をダスティン・ホフマンがエネルギッシュに演じ切りました。
二人は実際のワシントン・ポスト本社に通い詰め、本物の記者たちの所作やメモの取り方、電話応対の癖に至るまで徹底的に研究して役作りに落とし込みました。スクリーン越しに伝わる二人の掛け合いは、まるで本物のニュースルームの息遣いをそのまま覗き見ているかのような緊迫感に満ちています。
脇を固めるキャスト陣の存在感も見事です。とりわけ、若手記者二人の報道を時に厳しく突き放し、時に組織の盾となって守り抜いた伝説の編集主幹ベン・ブラッドリーを演じたジェイソン・ロバーズは、本作でアカデミー賞助演男優賞を獲得。妥協なきジャーナリズムの誇りを体現した名演として高く評価されています。