ナックルボールの歴史を語るうえで外せないのが、メジャーリーグや日本球界で歴史的な足跡を残したパイオニアたちの存在です。
メジャー通算200勝を達成したティム・ウェイクフィールドは、球速100〜110km/h前後の超スローナックルを自在に操り、名門ボストン・レッドソックスの黄金期を支えました。彼の投球は打者の手元でまるで木の葉のように舞い落ち、超強力打線を翻弄し続けました。
その常識を覆したのが、2012年にナックルボーラーとして史上初のサイ・ヤング賞に輝いたR.A.ディッキーです。ディッキーの武器は、125〜130km/hを超える「高速ナックル」。球速がある状態で鋭く揺れ落ちるため、打者はストレートのタイミングで待ちながらもバットにかすりもしないという驚異的な威力を誇りました。
そして日本においてナックルの知名度を一気に高めたのが、「ナックル姫」の愛称で親しまれた吉田えり選手です。彼女は独特のサイドハンドから繰り出す浮き上がるようなナックルを武器に関西独立リーグやアメリカの独立リーグでプレーし、筋力や体格で劣る選手であっても技術次第で屈強な男子打者を手玉に取れることを証明しました。