相撲中継に映る人物の中で、歴代最もネット上を騒がせたのが「溜席の妖精」と呼ばれた女性です。東京本場所(初場所・夏場所・秋場所)が開催されるたび、向正面の西寄りの同じ溜席に15日間毎日欠かさず座り、微動だにせず凛とした姿勢で取組を見守る姿が大きな注目を集めました。
ワンピースや着物を上品に着こなし、背筋をピンと伸ばした姿勢の美しさ、拍手を送る所作の優雅さから、「あの美女は一体誰なのか」「女優やモデルではないか」と憶測が飛び交いました。
取材によって判明したその正体は、芸能人ではなく角界に深く貢献してきた維持員の家族関係者でした。目立つためのアピールやパフォーマンスではなく、純粋に相撲を心から愛し、力士へ敬意を払って観戦していた一人の好角家だったのです。彼女の端正な観戦態度は「大相撲ファンの鑑」として、視聴者や好角家の間で今なお語り継がれる伝説となっています。